Lifelong Thinker's Log

ヘッジファンド勤務のアナリストが投資、経済、経営を中心に日々の学びや思索を記録していきます。(本ブログの内容は個人的見解に基づくものであり、所属組織及び企業の意見を代弁するものではありません。なお、個別の投資に役立つような情報は一切含まれておりませんので、その点は期待せぬようお願いいたします。)

このブログについて

ひょんなことから所謂ヘッジファンド業界に身を置くことになったので、これを期に自分の学びの記録も兼ねて、自分の思考を少しだけ世の中に垂れ流してみることにする。なぜこんなブログを書こうと思ったのか、敢えて言葉にするなら、以下の3点を期待して、ということになるだろう。

  1. 学びの最大化
  2. 思考の明晰化
  3. 日本の資産運用業界へのささやかな貢献

以下、もう少し具体化してみる。

  1. 学びの最大化
    アウトプットすることで学習効果を強化できるというのは昔から言われている通り。ただ本を読むだけよりも、線を引く、単に線を引くよりコメントを書き込む、さらにはノートを作ることで学びは強化される。そして、その延長線上にブログがあると考えられる。自分のためのノートと、人に説明するためのノートは違う。人に説明するためには、学んだ内容を理解せねばならない。学びをブログとしてアウトプットすることには、「分かったつもり」を防ぐ効用があると考えている。(さらに上位の方法として、人に教えるというのもある。)

  2. 思考の明晰化
    ヘッジファンドのアナリストが何をしているかというと、要は、投資意思決定に必要な情報を集め、分析し、社内の意思決定者・意思決定機関に分析結果を伝達している、とまとめられるだろう。投資という言葉を外せば、現代の知識労働者の多くの仕事は同じようにまとめられてしまうものではあるが、人様のお金を預かり運用するという立場上、その意思決定や、そこに至るまでのプロセスには重い責任が伴う。従って、「どうしてそのような結論に至るのか」という命題に対して明確な説明が必要となる。人間の思考プロセスは(人によって程度の差はあるものの)直線的というよりも並列的・拡散的であり、結論は出せるのに理由を明確に説明できないといった現象が度々起こる。並列的・拡散的な思考プロセスは人間の強みであり決して否定すべきものではないが、他者にその思考を伝えようとすると、言語に頼る場合がほとんどであり、文字であれ口頭であれ、言語の持つ直線性という制約を受けることになる。すなわち、並列的・拡散的な思考プロセスを直線的な説明に再構成=明晰化する必要が生まれる。これが上手くできないと、優れた思考力を持つにもかかわらず、何を言っているか分からない、思考が明晰でないと判断されかねない。これでは自分のアイデアを採用してもらえない。自分の分析を投資に反映するためには、思考を明晰化すること、そのためには、日々の思考を文章にまとめるという明晰化の訓練が役立つに違いない。

  3. 日本の資産運用業界へのささやかな貢献
    このブログを通じて、少しでもこの業界を盛り上げることに貢献できればと思う。「お金」は少資源国日本が持つ数少ない豊富なリソースであり、このリソースの効率的・効果的な運用は、国益に資するはずだ。それにもかかわらず、日本は他の先進国と比べても、資産運用のプロが質・量の面で圧倒的に足りておらず、効率的・効果的な運用ができているとはとても言い難い。日本で投資とか資産運用というと批判的な目で見られがちなのは、「勤労の美」を重視する日本的価値感だけでなく、資産運用業がプロの職業として完全には確立していないこともその背景にあるのではないだろうか。だとすれば、その責任は資産運用業界側にもある。タンス預金を批判したり、「貯蓄から投資へ」の旗を振る前に、まずは資産運用業界側が、質の高い仕事をし、運用成果を上げ、日本社会において資産運用のプロなるものに価値を見出してもらう必要がある。自分自身まだまだ駆け出しなので偉そうなことは言えないのだが、このブログを、これから資産運用業界に関心のある方々の学びに役立つようなものとしていきたいと考えている。

このブログを読んだ方が、投資というものに興味を持ったり、少しでも役に立つアイデアを得たり、新しい分野に興味をもつようになったり。そんなブログに育てて行ければと思う。